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毎年2月3日は「節分の日」として、日本各地で魔除けのイベントが取り行われます。
本来、節分は「季節を分ける」という意味なので、各季節のはじまりである立春・立夏・立秋・立冬の前日を意味していました。
しかし江戸時代以降は、主に2月4日の立春の前日を指す言葉として使われ、家内に溜まった邪気を払うための日として行事が行われるようになりました。
節分の歴史はかなり古く、少なくとも西暦706年には節分行事として魔除けを行っていたという記録が残っています。
ご存じのとおり現在でも節分は魔除けの日として知られており、2月3日になると各家庭や神社などの施設でも豆まき等の邪気払いが披露されています。
節分に行われる行事は地方によっても異なりますが、今回は日本各地で一般的に行われている代表的な節分のやり方・方法についてご紹介しましょう。
1.豆まき
節分の行事として最も有名なのはやはり「豆まき」でしょう。
「鬼は外!福はうち!」の掛け声に合わせて、家の周囲に大豆を撒く行事です。
豆を撒くことで、家についていた鬼を退散させ、福を招こうという狙いがあります。
どうして豆で鬼が逃げるのかという疑問には、いくつかの説があります。
そもそも昔の人々は穀物に魔除けの呪力があると考えていた説、魔を滅するという意味の魔滅(まめ)とかけているという説、かつて鞍馬山に住んでいた鬼の目に大豆を投げて退治に成功したという言い伝えに基づくという説などがありますが、真偽は定かではありません。
焼き大豆を撒くという方法が一般的ですが、地域によっては殻付き落花生や餅、袋入りのお菓子やミカンといった食べ物を撒いている地域もあります。
これは「外に撒いても後で拾って食べられる」という合理的な理由から生まれたもので、わりと近年になってから普及した方法です。
また、掛け声に関しても「福はうち!鬼もうち!」という地域が複数あります。
理由は地域によって異なりますが、法力を持つ役行者が鬼を改心させて弟子にした故事がある地域や、地名や住人の名前に「鬼」の文字が入っているからという理由でこの掛け声を使う地域があります。
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2.豆を食べる
豆が持つ魔除けの力は、豆を撒くだけでなく、豆を食べることでも享受できると考えられています。
節分の日に豆を食べると、体内に憑りついた邪気を払い、健康的な一年を過ごすことができると言い伝えられています。
豆はたくさん食べればよいというものではなく、自分の数え年の分だけ選んで食べるのが一般的です。
数え年では生まれた年を1歳としてカウントするので、例えば満20歳の方なら21粒の大豆を食べるということになります。
また、地域によっては数え歳+1個の大豆を食べる場合もあります。
これは豆を1個多く食べることで体が丈夫になり、風邪をひきにくくなるなどの健康祈願のためだと考えられています。
3.玄関に魔除けを施す
節分に見られる独特の魔除けのひとつが「柊鰯(ひいらぎいわし)」と呼ばれるものです。
その名の通り、玄関に柊の小枝と焼いた鰯の頭を飾るという魔除けです。
柊には鋭いトゲがあるため、柊を玄関に飾っておくとトゲが邪魔をして鬼が家に近づけないと考えられています。
また、鬼は鰯の頭から漂う独特の臭気や煙を嫌うため、家の周辺に居た鬼が逃げていくという効果も期待されます。
この文化もかなり歴史が古く、すでに平安時代には同様の行事が行われていたことが記録に残っています。
地域によっては柊鰯が鬼以外の妖怪にも有効だと考えられることがあり、奈良県の一部地域では「一本だたら」という妖怪を避けるための魔除けとしても使われています。
4.恵方巻きを食べる
恵方巻きは、もともと大阪を中心に伝えられていた行事で、全国区の節分行事ではありませんでした。
しかし2000年ごろに大手コンビニのセブンイレブンが恵方巻きの取り扱いを開始したことで一気に知名度が高まり、今では節分時期になると日本各地で恵方巻きが売られるようになりました。
恵方とはその年の年神様がいる方角と言われ、恵方に向かって何かを行うと縁起が良いという言い伝えは昔からありました。
節分以外でも、「初詣は自宅から見て恵方にある神社に行くのが良い」といった文化が伝わっています。
そうした文化が昭和初期ごろに大阪で変化し、「恵方に向かって無言で太巻きを食べる」という文化に変化したと言われています。
比較的新しい行事なので正しいやり方についても地域差が大きく、「無言で食べる」とする地域もあれば、「笑いながら食べる」「目を閉じて食べる」「願い事をしながら食べる」などのバリエーションが見られます。
魔除けというよりも縁起担ぎに近い行事なのであまり堅苦しく考えず、「恵方に向かって太巻きを食べる」という基本さえ押さえていればひとまず問題ないでしょう。
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