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アルコールが抜けるまでにかかる時間はどれくらい?

昔に比べて飲酒運転の危険性については周知が進んできていますが、お酒を飲む方のなかにはまだまだ考えの甘い人が少なくありません。
飲酒してすぐに運転するのが危険だということは知っていても、「飲んでから5時間経てばアルコールは抜ける」「酔っていなければアルコールは抜けやすい」なんて眉唾物の判断基準で動いている方が存在します。
「酔いが醒める」ことをアルコールが抜けることと結びつける方もいるようですが、これも大きな間違いです。
アルコール
お酒を飲めば、体内には必ずアルコールが取り込まれます。
アルコールに強いかどうか、酔っているかどうかには全く関わらず、アルコールが完全に分解されるまでには飲んだ量に相応の時間がかかるのです。

そこで今回は、お酒を飲んでからアルコールが抜けるまでの時間を計算する方法をご紹介しましょう。
アルコールが抜けるまでにかかる時間は、飲酒した人の体重や体質によっても差異が生じるため確実ではありませんが、ひとつの目安としてご確認ください。

体重や飲酒量でアルコールが抜けるまでの時間は変わる

お酒を飲んでからアルコールが抜けるまでにかかる時間は、体重や飲酒量によって変わります。
よくいう「飲んでから5時間絶てばアルコールは抜ける」というのは間違いで、飲んだ量が多ければ5時間以上経ってもアルコールが抜けきらないケースも珍しくないのです。

体内に取り込まれたアルコールは、飲酒者の体重1Kgにつき、1時間で0.1グラムづつしか処理されません。
仮に体重50Kgの人なら、1時間に5グラムまでのアルコールを処理できるということです。
つまり、アルコールを10グラム摂取していれば2時間かかりますし、20グラム摂取していれば4時間かかるということです。
お酒を飲んだ量が多いほど、アルコールが抜けきるまでには時間がかかるということになります。
酒
体内に取り込んだアルコールの量は、「飲んだお酒の量(ml)×飲んだお酒の度数×0.8」という計算式で求めることが可能です。
この計算式の答えと自分の体重を照らし合わせることで、アルコールが抜けるまでの大まかな時間の計算が可能になります。

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例えば、体重50Kgの方がアルコール度数5%の缶ビール(500ml)を3本飲んだとしましょう。
計算式は「1500×0.05×0.8=60」なので、この人は体内に60グラムのアルコールを取り入れたことになります。
体重50Kgの人は1時間に5グラムのアルコールを分解することができるので、この場合はアルコールが抜けきるまでに12時間もかかってしまうことになります。

この計算式では体質などは考慮されていないのであくまで目安にすぎませんが、「飲んでから5時間経てばアルコールが抜ける」という俗説がいかに危ういかはお分かりいただけるでしょう。
体質によってはこれより早く抜けるケースも考えられますが、逆にもっと遅い方もいるので安心してはいけません。

アルコールが抜けるまでにはどれくらいの個人差があるのか

お酒を飲んでからアルコールが抜けるまでの時間には個人差もあります。
久里浜アルコール症センターで副院長を務める樋口 進先生によると、1時間にアルコールを分解できる速度には、男性で6グラム~13グラム、女性で4グラム~11グラムの個人差があるといいます。
先ほどの計算式では体重50Kgの人が1時間に分解できるアルコールを5グラムと仮定しましたが、実際には1時間で10グラム以上を分解できる方もいるということになります。
もちろん逆に、1時間で分解できるアルコール量が5グラム未満の方もいます。

また、アルコールが抜けるまでにかかる時間には年齢による差もあります。
アルコール分解能力の低い未成年者や高齢者に比べ、30代~40代の健康的な中年者層のほうがアルコール分解が早いという結果も出ています。

アルコールを処理できる能力にはかなり大きな個人差が生じるため、「みんなと同じ時間までしか飲んでいないから大丈夫」と安心することはできません。
他のメンバーと全く同じ時間までしか飲酒していなくとも、自分だけアルコールが抜けるのが遅いというケースはいくらでも起こり得るのです。

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