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冷静に考えると違いが分からない

みなさんは「一ヶ所に大量の淡水が集まっている場所」のことを何と言うかわかりますか?
この問いに対して、「湖」と答えた方もいるでしょうし、「池」と答えた方もいるはずです。
なかには「沼」という人や、もしかすると単に「水たまり」だと思ったひともいるかもしれません。
湖・池・沼
冷静に考えてみれば、湖・池・沼などの定義はかなり曖昧な気がします。
言葉から連想されるイメージは違っても、日本の法律や正しい言葉の意味ではどう定義されているのかが掴めません。
街をゆく人にこれらの違いを聞いてみても、正解を知っている人はそう多くないのではないでしょうか。

そこで今回は、湖・池・沼にはどのような違いがあるのかをまとめてみました。

湖の定義

辞書によれば、湖とは「周囲を陸地で囲まれたくぼ地に水をたたえる水域」のことです。
もともとは大量の淡水を蓄えていることから「水海」と呼ばれていたものが、変化して湖となりました。
同じ辞書の補足説明によれば、湖は「最深部が5メートル以上」のものをいうとあります。

湖や沼などの研究を行う「湖沼学(こしょうがく)」という学問においては、「湖沼のうち比較的大きなもの」を湖としています。
「比較的大きなもの」という考え方がやや曖昧ですが、こちらでも湖は「水深が5メートル~10メートルを超えるもの」と定義されており、一般的な辞書と同じ見解となっています。

湖は基本的に淡水ですが、稀に海と繋がった汽水域でも湖と呼ばれることがあります。
また「ダム湖」という言葉があるように、人工的に作られた巨大なため池も湖として扱われます。
このことから、湖という言葉には法的な定義が存在するわけではなく、ただ「巨大な水たまり」が湖として扱われていることがわかります。

池の定義

池を辞書で引いてみると、「くぼ地に自然に水がたまった所。また、地面を掘って水をためた所。ふつう湖沼より小さいものをいう」とあります。
つまり、自然に出来たか人工的に出来たかは問わず、単に「湖や沼よりもサイズの小さい水たまり」ということになります。

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湖沼学の定義では「水深が5メートル~10メートルを超えるもの」が湖ということになるので、それ以下の場所が池ということになるでしょう。
要するに池は、「水深5メートル未満」の水たまりを指すということになります。

しかし一般的には、人工のため池などが池と呼称されます。
農業用水を溜めるためのため池や、鯉などを鑑賞するために作られるものは、水深が5メートル以上の大きなものであっても池と呼ばれるケースが多くなります。
正式な定義とは関係なく、一般的には「人工の湖」が池として扱われやすい傾向にあるようです。

沼の定義

辞書では沼のことを「泥深い天然の大きな池」と定義しています。
綺麗な水をたたえた湖ではなく、泥などで汚れた湖を沼として紹介しています。
成り立ちに関わらない湖や池とは違い、沼にはハッキリと「天然の」と注釈が入っているのも特徴です。

ところが湖沼学において、沼は「水深が浅く水底中央部にも沈水植物(水草)の生育する水域」と定義されており、辞書とは少し解釈が異なります。
湖や池とのハッキリした違いは定められていませんが、沼は「湿地の一種」として扱われることが多いのです。
沼もまた一般的には水深5メートル以下の水域とされていますが、基本的に底が柔らかい泥なので正確な水深が測りにくいという特徴もあります。

法律的には全部川!?

ここまで詳しく調べてみても、湖・池・沼の違いはまだ曖昧です。
それもそのはず、実は日本にはこれらの違いを定めた法律や定義が存在しないのです。
上記でご説明したのはあくまで「辞書」と「湖沼学」の上での定義であって、日本の法律で決まっていることではありません。

では、日本の法律では湖・池・沼の扱いがどうなっているのかというと…
なんとこれら全て「川」として扱われているのです。

ざっくり言うと、大きな池は「すごく川幅の広い川」という扱いですし、ほとんど泥で構成されているような沼も「水深の浅い川」となります。
人工の池に関しては別扱いになることもありますが、自然にできた池なら他と同様に川扱いです。

なぜちゃんとした定義が無いのかというと、わざわざ分類することにメリットが無いからです。
自然界には様々な条件で構成された水域があり、その数多の水域を湖・池・沼という3つに当てはめるのは現実的ではありません。
そのため、陸地にできた淡水の水域ならまとめて「川」としてしまったほうが管理が手っ取り早いのです。

現在、湖・池・沼などの名前がつく水域は、そのほとんどが昔からの名前をそのまま引き継いでいるにすぎません。
地元のひとたちが「湖」と呼んでいるなら湖ですし、「池」と呼んでいるなら池として残されています。
法的な扱いの違いはないため、特に細かい規定もなく自由に決めてよいという状態になっているのです。

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